宗像大社と一言に言っても、実は大きく分けて3か所にお宮があるのをご存知でしょうか?
こちらのページでは、宗像大社の三宮の場所やアクセス、3つに分かれている理由などをご紹介します。
宗像大社の三宮とは?
宗像大社は、2017年7月に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産の1つとして、ユネスコ世界遺産に登録されたことで、現在注目を集める神社です。
「宗像大社」と言う場合、一般的には辺津宮を指すことも多いものの、正確には、お宮が以下の3か所に分かれています。
- 九州本土にある「辺津宮(へつみや・へつぐう)」
- 大島にある「中津宮(なかつみや・なかつぐう)」
- 沖ノ島にある「沖津宮(おきつみや・おきつぐう」
※大島にある沖津宮遙拝所(ようはいしょ)も、世界遺産に登録されています。
宗像大社のご祭神は、宗像三女神と呼ばれる姉妹神です。
宗像三女神
- 長女神:田心姫神(たごりひめのかみ)
- 次女神:湍津姫神(たぎつひめのかみ)
- 三女神:市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)
宗像大社では、このうち、田心姫神を沖津宮に、湍津姫神を中津宮に、そして市杵島姫神を辺津宮にお祀りしています。
宗像大社「辺津宮・中津宮・沖津宮」の場所(地図)
宗像大社の三宮は、ご覧の通り、離れた場所に位置しています。
辺津宮から中津宮までは約11km、中津宮のある大島の「沖津宮遙拝所」から沖津宮までは、約49kmの距離があります。
三宮のうち、九州本土にある辺津宮と、大島にある中津宮には、直接行って参拝することができます。
しかし、沖ノ島は一般の人の上陸は許されていないため、残念ながら現地で参拝することができません。
したがって、沖津宮への参拝は、辺津宮の第二宮か、大島にある沖津宮遙拝所(ようはいしょ)で行うことになっています。
宗像大社(辺津宮・中津宮・沖津宮遙拝所)へのアクセス(行き方)
辺津宮
JR東郷駅北口から西鉄バス「宗像大社経由神湊波止場行き」で12分、「宗像大社前」下車。徒歩すぐ。
中津宮
JR東郷駅北口から西鉄バス「宗像大社経由神湊波止場行き」で20分、「神湊波止場」下車。渡船ターミナルまで徒歩すぐ。
↓
神湊港から旅客船「しおかぜ」またはフェリー「おおしま」で大島港へ渡航。中津宮まで徒歩10分。
- しおかぜ:1日2便(第2・第4水曜日は3便)、乗船時間約15分
- おおしま:1日5便(第2・第4水曜日は4便)、乗船時間約25分
- しおかぜ・おおしまの運賃:大人560円、小児280円
※ 大人に同伴する未就学児は、 大人1人につき1人まで無料
※海上タクシーも利用可能です。
料金:1名3,500円、2名5,000円、3名7,000円、4名8,000円、5名10,000円
6名以上1人増すごとに+1,000円
沖津宮遙拝所
大島港から徒歩30分。中津宮から徒歩22分。
・バスを利用する場合は・・
西鉄バスの大島観光バス「グランシマール」で「大島ターミナル」から7分、「沖津宮遙拝所」下車。徒歩すぐ。
グランシマールは大島港発着で島内各所を巡る周遊バスで、1日に7本が運行しています。
※12月から2月は土日祝日のみの運行となっています。 →2019年12月1月(日)~2020年3月20日(金)は運休
- 運賃:1回300円、1日乗車券
700円→800円 - 時刻表はコチラをご覧ください。
・レンタサイクルを利用する場合は・・
大島港にある観光案内所では、むなかたレンタサイクル「むなくる」も利用できます。
営業時間:8時30分から16時30分料金:1日1回500円(電動アシスト自転車)
レンタサイクル「むなくる」の運用は、2019年3月をもって終了となりました。
自転車で大島観光をする場合は、JR東郷駅や神湊港からシェアサイクル「ecobike」を利用するのがおすすめです。
シェアサイクル「ecobike」については、当サイトJR博多駅から宗像大社・中津宮へのアクセス(行き方)「電車・バス・車(タクシー)・自転車(レンタサイクル)」でご紹介しています。
教えて!「辺津宮と中津宮を一度に回る方法は?」
神湊港と大島を結ぶ渡船は1日7往復と限られています。
したがって、旅程に余裕を持たせるため、先に中津宮に行くのがおすすめです。
大島渡船の時刻表は、コチラをご覧ください。
中津宮は30~40分あれば十分に見て歩けますが、せっかくなので、沖津宮遙拝所へもぜひ足を運んでください。
沖津宮遙拝所は建物と鳥居がある程度で、沖ノ島を望めれば目的は果たせるので、滞在時間は5分~10分あれば十分です。
沖津宮遙拝所まで行く場合は、中津宮へ参拝する時間に加えて、徒歩の場合は1時間、レンタサイクルなら20分程度を予定に入れてください。
そうすると、他に観光をしないのであれば、大島での滞在時間は、1時間~2時間ほど確保すると良いということになります。
朝一番の渡船で大島に渡ったとすると10時15分大島発、11時15分の渡船で渡ったとすると13時大島発の渡船で戻るという組み合わせが、ちょうどよいでしょう。
これより遅くなると、辺津宮の神宝館に立ち寄る時間が無くなってしまう恐れがあります。
公共交通機関を利用する場合は、神湊港へ戻ったら、「神湊波止場」バス停から西鉄バス「宗像大社経由JR東郷駅行き」で「宗像大社前」バス停を目指します。
このバスは、平日は1時間に1本程度運行していますが、土日祝日は1日に7本となるので、運行時間はあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
「神湊波止場」バス停発、宗像大社経由JR東郷駅行きのバスの時刻表は、コチラをご覧ください。
辺津宮の境内は24時間自由に入れますが、神宝館の営業時間は、9時から16時30分まで(最終入館16時)となっています。
なお、大島には中津宮や沖津宮遙拝所以外にも素敵な観光スポットがあります。
大島観光をじっくりと楽しみたい場合は、朝一番に辺津宮参りを終えて、余裕を持って大島に渡航しても良いでしょう。
宗像大社に3つのお宮がある理由
ところで、同じ神社なのに、なぜ遠く離れた3か所にお宮が分かれているのでしょう。
『古事記』や『日本書紀』によると、沖ノ島では、古くから国家の安泰や航海の安全を祈って祭祀が行われていました。
沖ノ島が浮かぐ玄界灘は、九州北部と朝鮮半島を結ぶ海です。
ですから、漁業の安全や豊漁祈願はもちろん、大陸との交流を行う人々にとって、航海の安全祈願は、とても大切なものでした。
七世紀(600年代)後半には、この沖ノ島の祭祀が、九州本土にある釣川沿いの「宗像山」の中腹で営まれるようになりました。
この場所は「下高宮(しもたかみや)祭祀遺跡」と呼ばれ、その一部は高宮祭場として、現在も祭祀の舞台となっています。
また、同じ時期には、大島の御嶽山(みたけさん)の山頂でも、沖ノ島と同様の祭祀が行われるようになっていました。
この場所が「御嶽山祭祀遺跡」で、中津宮の本殿とは参道でつながっています。
それぞれの祭祀遺跡がある場所は、『古事記』や『日本書紀』には既に、辺津宮・中津宮という名前で登場しています。
後に、沖ノ島、大島、九州本土の3か所の祭場の近くに社殿が建立され、それぞれに宗像三女神を1神ずつ祀って、合わせて1つの神社とすることになったのでした。
なお、辺津宮の脇を流れる釣川は、古代は入海で、海水が辺津宮のすぐ近くまで来ていたようです。
現在の辺津宮は海から離れていますが、この地で祭祀が行われるようになった頃は今よりも海に近く、沖ノ島や大島と同様に、航海安全の祭祀を行う場所としてふさわしかったのです。
『日本書紀』で、辺津宮が「海浜(へつみや)」と記載されていることからも、海との深い繋がりがうかがえます。
沖津宮遙拝所とは
沖ノ島は、島そのものがご神体とされ、信仰の対象になっている、大変神聖な島です。
そのため、一般の人の立ち入りは禁止となっています。
それでも、宗像大社の三宮にお参りするため、大島には、沖ノ島を遠くから望み拝める、「遙拝所」が設けられています。
ご神体である沖ノ島が神社の中の「本殿」だとすると、遙拝所は、「拝殿」の役割を果たすというわけです。
良く晴れた日であれば、大島の沖津宮遙拝所から、沖ノ島の姿をはっきりと見ることができます!
中津宮へ参拝された際には、ぜひ沖津宮遙拝所へも、足を延ばしてみてください。
スポンサードリンク -Sponsored Link-
当サイトの内容には一部、専門性のある掲載がありますが、これらは信頼できる情報源を複数参照して掲載しているつもりです。 また、閲覧者様に予告なく内容を変更することがありますのでご了承下さい。