こちらのページでは、筥崎宮で最も盛大な祭りである「放生会」について、日程(スケジュール)、内容、見どころ、楽しみ方、混雑状況、アクセス情報などをご紹介します。
2年に一度行われる神輿行列や、放生会名物の露店(屋台)など、放生会に行くにあたっては見逃せない情報ばかりですので、ぜひ最後までご覧ください!
放生会の開催期間は例年同じ(固定開催)
- 9月12日~9月18日
放生会は神事になるので例年斎行日程は平日であっても土日祝であっても変わらない。同じ。
【2024年】筥崎宮 放生会の開催日程(期間)と開催時間
開催日程:2024年(令和六年)9月12日(木)~9月18日(水)
開催時間:07時30分~22時頃
【ピヨ🐣コメント】
※社務所(授与所)の受付時間は開門閉門は様子を見ながらこの時間前後。
筥崎宮「放生会」はどんなお祭り?
読み方
- ほうじょうや
※「ほうじょうえ」や「ほうじょうかい」ではなく、「ほうじょうや」と読みます。
人出
- 期間中のべ約100万人
筥崎宮の放生会は、博多どんたく、博多祇園山笠と並び「博多三大祭り」の1つに数えられる、盛大な行事です。
毎年9月12日から7日間に渡って開催され、期間中は秋の例大祭を含む多くの神事や、「神賑わい」と呼ばれる付属行事が行われ、のべ100万人もの人が訪れます。
筥崎宮によると、放生会は、「万物の生命をいつくしみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝する」お祭りということです。
そもそも「放生会」とは?
筥崎宮の放生会は大変有名な祭りですが、そもそも放生会は「ほうじょうえ」と読み、仏教の法会の1つです。
仏教には殺生戒(せっしょうかい)という殺生を戒める戒律があり、放生会はこの思想に基づいて行われます。
お坊さんが精進料理を食べるのも、「お盆の時期には釣りをしない」と言われるのも、ベースにはこの殺生戒があるのです。
放生会では、一般的には、鳥獣や魚を自然に放すことで、肉食や殺生を戒め、「慈悲」を行動に移すことを旨としています。
神仏習合により神社でも行われるようになり、特に大分県宇佐市の宇佐神宮や、京都府八幡市の石清水八幡宮の放生会が有名です。
筥崎宮「放生会」の日程(スケジュール)
内容や日程は年により変更となる場合があります。
また、台風などにより直前でスケジュールが変更になることもあります。
最新情報は筥崎宮ホームページなどでご確認ください。
例年、放生会に関する情報は8月初めから随時更新されています。
以下、2019年度の実績
〈1日目〉9月12日
- 0時:初日祭・神霊移御祭
- 15時:本宮夕御饌祭
- 18時:御神輿行列(お下り)※
「※」は隔年(奇数年)開催の「御神幸」に関わる神事
〈2日目〉9月13日
- 10時:頓宮朝御饌祭※
- 10時:久原本家供養祈願(感謝祭)
- 13時:献菓祭
- 15時:頓宮夕御饌祭※
- 18時:幕出し親交会
〈3日目〉9月14日
- 10時:頓宮朝御饌祭※
- 13時:頓宮夕御饌祭※
- 19時:御神輿行列(お上り)※
〈4日目〉9月15日
- 10時:放生会大祭(例祭)
- 15時:献華祭
- 17時:幕出し西日本支店長会
〈5日目〉9月16日
- 9時:五日祭
- 11時:献茶式
〈6日目〉9月17日
- 10時:六日祭(お潮井会)
- 11時40分:ふくや供養祈願祭(感謝祭)
〈7日目〉9月18日
- 10時:納祭並び、社日祭(お潮井取り)
- 14時:放生神事、稚児行列・童児育成祈願祭※
放生会の核となる神事、「放生神事」で1週間の放生会が幕を閉じます。
放生会の供養祈願祭(感謝祭)
放生会は、もともと、殺生を戒め、私たちを生かしてくれている多くの命に感謝する祭りです。
放生会期間中に行われる供養祈願祭(感謝祭)は、すべての生き物の霊を慰め、感謝し、そして商売繁盛や家内安全を祈願する、特別な祈願(祈祷)です。
上記の神事スケジュールの中には、福岡県の調味料メーカー「久原本家」と、明太子で有名な「ふくや」の祈願祭が載っていますが、他の会社、団体、一般の方も個別に祈願祭を申し込めます。
特に、飲食店や生き物に関わるお仕事をされている方や、最近ペットを亡くされたという方は、この機会にぜひ、祈願祭をお申込みください。
供養祈願祭(感謝祭)の申し込み方法
- 申込受付期間・時間:9月12日~18日、13時~21時
- 申込場所:社務所(授与所)
- 初穂料(祈願料):1件5,000円~
※申し込むと順次本殿に案内されますが、行事の都合で待ち時間が発生する場合があります。
希望の日時が決まっている場合は、その日時で神事が可能かどうか、あらかじめ電話で問い合わせておくと安心です。
※9月中は電話受付による「通信祈願祭」も受け付けています。
稚児行列に参加したい!
放生会最終日の9月18日には、お子さんたちが「子どもみこし」を引きながら練り歩く、「稚児行列」が行われます。
笛の音が鳴り響く中、神職の方や巫女さんに先導されて参道から本殿に到着すると、お子さんたちの健やかな成長を祈る「育成祈願祭」が執り行われ、その後、絵馬殿前の特設会場で、鳩の代わりの風船や稚魚(金魚)を放つ放生神事があります。
この放生神事が放生会のメインイベントであり、これを持って1週間続いた放生会が終了します。
行列や神事の主役はお子さんたちですが、親御さんも一緒に出られますので、安心してご参加ください。
なお、稚児行列に参加するお子さんの服装は、稚児装束、または幼稚園などの制服となっています。
この機会に、きらびやかな稚児衣装で参加してみてはいかがでしょうか?
お稚児装束は参集殿でレンタルできます。
稚児行列の参加方法
- 9月18日13時45分までに、着替えた上で参集殿(宮前駐車場内)に集合
稚児衣装の予約受付期間
- 8月1日~8月31日 ※火曜定休
レンタル稚児衣装の料金
- 稚児セット:4,320円
- 白着物:540円
- しごき帯:378円
- 草履(買取):648円
- 足袋(買取):540円
お問い合わせ先
- 稚児行列:092-641-7431(筥崎宮担当者)
- 稚児衣装:092-632‐5595(衣装部)
もりだくさん!「放生会」の神賑わいと常設展示
上記の神事以外にも、期間中は土日祝日を中心に、多くの「神賑わい」と常設展示が行われます。
2019年は、例えば以下のようなものが予定されています。
気になる方はぜひ、最新のスケジュール表を確認の上、お出かけください。
※9月の第3月曜日に敬老の日があるため、放生会の期間に三連休が重なる場合が多くなています。
神賑わい
- アコースティックライブ
- フォークライブ
- ピアノ弾き語りライブ
- バンドライブ
- ブラスバンド演奏
- 大道芸大会
- 神楽、和太鼓、琴などの奉納
- 武術、演芸、フラダンスなどの奉納
常設展示
- ぼんぼり献燈(廻廊)
- 池坊いけばな展(廻廊)
- 放生会チャンポン・放生会おはじき展示(廻廊)
- ハコトルまちなか写真展・写ルンです写真展(絵馬殿)
放生会では、毎年福岡ゆかりのスポーツ選手や芸能人など、著名人から献納されたぼんぼりが展示されています。
また、放生会名物のチャンポンやおはじきの展示コーナーでは、販売されていないチャンポンや、過去のおはじきが見られます。
筥崎宮「放生会」の限定御朱印はある?
筥崎宮の御朱印は、1年を通して同じで、限定版はありません。
厳密には、過去の放生会の期間中の御朱印の中には、「放生会」あるいは「放生会大祭」と墨書きされた御朱印もあるのですが、どうやら「必ずこれ」と決まっていたわけではなく、書き手の方次第だったようです。
通常、御朱印の授与時間は9時~16時30分ですが、放生会の期間中は延長されています。
授与所は、普段と同じで、楼門前の社務所(札所)です。
筥崎宮「放生会」期間中(9月12日~18日)の御朱印の授与時間
- 7時30分~22時頃
2年に1回!筥崎宮 放生会の「御神幸」の見どころ
御神幸(ごじんこう:御神輿行列)は、1年おき、西暦の奇数年に行われる神事で、福岡市無形民俗文化財に指定されています。
御神輿行列には、約500名の氏子衆が奉仕します。
一般の参拝者が主に目にするのは、9月12日と14日の神輿行列のみですが、御神幸の準備はその前から始まっています。
まず、9月1日には注連卸し・神輿潔めが行われ、神輿の準備が整えられます。
そして、御神幸当日の「お下がり」の前、早朝3時には、神輿への「神霊遷し」が行われています。
これにより、筥崎宮の御祭神3柱がそれぞれ神輿にお移りになり、晴れて、神輿は出発を待つのみとなるわけです。
御神幸の日程
- お下がり(渡御):9月12日18時~22時
- お上がり(還御):9月14日19時~20時
※荒天でない限り、雨でも実施されます。
御神幸の御神輿は3基!
日本三大八幡の1社に数えられることもある筥崎宮には、「八幡大神(八幡神)」」として知られる応神天皇を始め3柱の神が祀られています。
ですので、神輿はそれぞれに1基ずつ、合計3基あります。
筥崎宮の御祭神は以下の3柱です。
- 応神天皇(おうじんてんのう):八万大神
- 神功皇后(じんぐうこうごう):応神天皇の母
- 玉依姫命(たまよりひめのみこと):神武天皇の母、海の神
御神幸のない年には、放生会の期間中、廻廊に神輿が展示されます。
御神幸の見どころ①お下がり(神輿渡御)と「賽銭投入」
放生会初日の9月12日には「お下がり」といって、筥崎宮(本宮)から頓宮(箱崎浜頓宮、浜宮)までの道のりを3基の御神輿が渡御します。
行列は、神職によって祓い清められた道の印である清道旗(せいどうき)や、高張提灯(たかはりぢょうちん)・鐘・太鼓・八ッ旗に先導され、獅子・幣帛・大小榊・太刀・弓矢・随身・駒形等のお供、伶人(雅楽の演奏を担当する人)の奏楽を伴って歩きます。
頓宮は筥崎宮の大鳥居跡がある参道入口付近にあり、境内を出発してまっすぐ行けば徒歩10分足らずで到着するはずですが、それでは神輿渡御の意味がありません。
お下りでは、九大病院前、JR吉塚駅前、帝大前、箱崎本町など氏子地域を一巡し、なんと約4時間かけて、頓宮にたどり着きます。
それぞれが伝統的な装束をまとい、歴史を感じさせる道具・持ち物を持ち、太鼓や鐘、笛の音が鳴り響く中行われる神輿行列の華やかかつ神聖な雰囲気を、ぜひ、お楽しみください。
行列は夜間なので、1人1人の姿をよく見たいなら出発直後がおすすめですが、暗くなってからも、提灯に灯りが灯され、夜の神輿行列ならではのムードが味わえますよ。
行列に賽銭を・・
御神幸が行われている間、巡路に面した家々では門前に提灯を灯し、外に出て神輿を拝み、氏子たちが運んでくる賽銭箱に賽銭を投げ入れるという独特の習慣があります。
賽銭が投入されると、賽銭箱が上下に揺すられ、「ザッ、ザッ」という音を立てます。
御神幸の見どころ②お上がり(神輿還御)、最後の「走り込み」
そして、14日には、御神輿が頓宮から筥崎宮本宮にお帰りになる「お上がり」が行われます。
「お上がり」の際は、行列の形態は「お下がり」と同じですが、道のりは遠回りとなる地域を除き、2㎞ほどに短縮され、約1時間で筥崎宮に到着します。
「お上がり」は時間こそ短いものの、ゴール直前の百数十メートル、氏子たちが、竿の長いのぼりや提灯、神輿、賽銭箱など、それぞれの持ち物を持ったまま全力で走る「走り込み」を行い、見どころの1つとなっています。
この走り込みはいつから始まったか定かではありませんが、今や放生会・御神幸の名物となっています。
御神幸(御神輿行列)の歴史
放生会の御神幸(御神輿行列)は、古くは博多夷町の頓宮まで海上を渡御する御神幸でしたが、江戸時代直前の天正年中(1573~1591年)に、戦乱により頓宮が焼失して廃れてしまいました。
その後、江戸時代の1701年(元禄14年)、神域内の松林に仮宮を設けることで、御神幸の神事が復活したと言われています。
現在行われている御神幸は、この江戸時代頃からの行列の形態や運営方法をよく留めた、貴重な行事とされています。
例えば、行列の構成は江戸時代の絵に見えるものとほぼ同じであり、3基の神輿の「一ノ戸」「二ノ戸」「三ノ戸」という呼称も当時のままと考えられています。
また、夜間に、長時間かけて氏子地域を隈なく巡行するスタイルや、「行列のどこに付き何の役を担うか」という筥崎宮の社家と氏子地域(氏子衆)の間の奉仕分担も、ほぼ形を変えずに受け継がれています。
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