太宰府天満宮「本殿」【重要文化財】
読み方
ほんでん
造営年
919年(延喜十九年)
再建年
1591年(天正十九年)
再建した人
小早川隆景
建築様式(造り)
五間社流造、正面向拝一間・軒唐破風付き、左右側面各一間車寄・軒唐破風付き
屋根の造り
檜皮葺
ご祭神
菅原道真公(天満大自在天神、天神さま)
ご神徳(ご利益)
学問(詩歌・芸能・文筆)上達、受験合格、至誠、厄除けなど
重要文化財(特別保護建造物)指定日
1907年(明治四十年)5月27日
太宰府天満宮の本殿は2023年5月より大改修工事を実施
太宰府天満宮は2027年(令和9年)に道真公が薨去(こうきょ)されてから1125年という大きな節目を迎える。
この節目に執行される式年大祭を盛大に奉祝すべく、2023年(令和五年)5月よりの約3年間を要し、124年ぶりに本殿の大改修を実施する。
工事中は本殿前にお仮殿が設営されるが、このお仮殿の造営工事が2023年2月より実施され、5月中旬には完成する。
デザイン性高いお仮殿
当お仮殿は従来にみる典型的な社殿ではなく、関西万博会場のデザインプロデューサーを務める藤本壮介率いるチームが主体となって建設される。
デザインコンセプトとしては、菅公(道真公)を慕う梅の木が一夜のうちに大宰府まで飛来した飛梅伝説の故事をイメージしたもので、周囲の景観に溶け込ませたデザインとなる予定💕乞うご期待!
太宰府天満宮「本殿」の歴史・由来
太宰府天満宮の御本殿は、919年(延喜十九年)、左大臣藤原仲平が勅命によって造営しました。
元々は、菅原道真公の墓所があった場所です。
火災で何度か被害を受け、1579年(天正七年)に焼失した後は、戦国時代の騒乱の中で再建されずにいましたが、後に領主として着任した小早川隆景が5年の歳月をかけて再建に乗り出し、1591年(天正十九年)、とうとう完成しました。
毛利元就の息子小早川隆景は、豊臣秀吉と講和した後、九州北部の領主となって、戦国時代からの長引く戦乱で荒廃した太宰府天満宮の再興にも力を尽くしました。
太宰府天満宮の宝物殿には、豊臣秀吉や小早川隆景の書状などが展示されています。
太宰府天満宮「本殿」の建築様式(造り)・特徴
太宰府天満宮の御本殿は、向拝(こうはい・ごはい)という庇のついた「流造(ながれづくり)」となっています。
流造は神社建築では最も一般的な形の1つで、本を開いて前後に伏せたような切妻屋根ですが、前の方が長くなっているのが特徴です。
前方の屋根は長く伸びてそのまま庇となり、その斜面が流れるようなので、「流造」と言うんです。
太宰府天満宮の御本殿の特徴の1つは、流造の屋根に、更に唐破風が付いた庇が設けられているという点です。
唐破風とは御本殿正面に見える曲線になった部分で、これは御本殿の左右に設けられた車寄せにも付いています。
桃山時代の特徴とも言える豪華絢爛な姿で、極彩色の彫刻も見事です。
屋根は、檜(ひのき)の皮を竹釘で留めた檜皮葺(ひわだぶき)です。
檜皮葺の屋根は、伝統的に、神殿や宮殿に採用されてきました。
太宰府天満宮「本殿」の内部構造
太宰府天満宮の御本殿には、一般的な神社にある拝殿がなく、神事などは通常、本殿の正面の向拝の下で行われます。
内部は6本の金の柱で仕切られ、壁、柱、天井まで、黒漆、朱漆、岩絵の具で色とりどりに彩色された豪華絢爛な内装で、細部には、梅の神紋を始めとする装飾もあしらわれています。
本殿内部の中央には「もや」と呼ばれる部分(内々陣)があり、そこにご神体が安置されています。
太宰府天満宮「本殿」の見どころ
「登竜門」の彫刻
御本殿の正面には、極彩色の彫刻が施されています。
そこには、中国の「登竜門伝説」をもとに、天神さまが鯉に乗り滝を上る様子が描かれています。
ぜひ注目してみてくださいね!
毎年実施!御本殿の漆塗り
御本殿の彩色には漆が使われています。
400年以上の歴史を持つ御本殿を美しく保つため、太宰府天満宮では毎年6月頃に漆塗りを実施しています。
漆塗りには湿度が高い時期が最適ということで、梅雨時に行われているのだそうです。
御本殿の漆塗りをするおよそ1か月間は、作業中の職人の方がいるなど通常とは異なる状況の中での参拝となりますが、夏の訪れとともに、リフレッシュした御本殿を見ることができます。
夏に太宰府天満宮を訪れる時には、期間限定・漆塗りたての御本殿を、よーくご覧ください!
太宰府天満宮「本殿」の場所
楼門をくぐると正面に見える建物が、太宰府天満宮の御本殿です。
周囲には廻廊があり、楼門以外にも出入りできる部分があります。
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