太宰府天満宮「飛梅」
太宰府天満宮「飛梅」の開花状況と見頃時期
2022年(令和4年)は、2月25日に満開を迎えています。
おおむね飛梅は境内の梅よりも早咲きの梅として知られてい‥‥‥申す。ウミィャっ(梅だけに)
ちなみに2022年2月25日は、境内の梅は見頃。例年、境内の梅は2月中旬から3月上旬にかけてが見頃。
なお、境内には約200種、約6,000本の白梅・紅梅が植樹されており、日本有数の梅の名所として有名。
太宰府天満宮「飛梅」の歴史・由来
太宰府天満宮の御本殿の前には、紅梅と白梅が植えられています。
このうち、向かって右側にある白梅が、「飛梅(とびうめ)」と名付けられた梅で、樹齢は1000年を超えるとされています。
元々は、現在、太宰府天満宮の飛び地に建つ榎社(えのきしゃ)がある場所に植えられていましたが、太宰府天満宮が建立された際に、現在の位置に移植されたと言われています。
榎社は西鉄二日市駅の近くにあり、平安時代には菅原道真公が任に就いた大宰府の南館で、道真公と家族の住まいでした。
菅原道真公と梅の繋がり
菅原道真公は、学者や政治家としてだけではなく、詩人としても大変優れていました。
菅原道真公は、11歳の時に「月夜に梅花を見る」という題の漢詩を発表し、それが詩人としてのデビュー作になりました。
それから梅をテーマとした漢詩だけでも24篇の作品を制作し、大宰府で亡くなる時にも梅の花を歌った詩を残したといいます。
折に触れて梅の詩を作っていた道真公が、学者としては異例の出世をしたことから、「梅と言えば菅原氏」と言われ、梅の木を縁起物とする風潮もありました。
京都には菅家のお屋敷が少なくとも3件あり、そのうち2件には梅の木が植えられて「白梅殿」「紅梅殿」という通称で呼ばれていました。
左近の梅・右近の橘
現在飛梅があるのは、御本殿の、向かって右側だとご紹介しました。
この位置は、御本殿から見て左なので、「左近(さこん)」と言います。
実は、天皇の御所だった京都の内裏の正殿「紫宸殿(ししんでん)」の前庭にも、菅原道真公が活躍していた当時、左近には梅が植えられていました。
平安京に都を移した桓武天皇が、右近(うこん)の橘と対になるように植樹したもので、遷都を支持していた菅原氏もこれに影響を受け、自身の屋敷にも梅を植えたようです。
太宰府天満宮の本殿の向かって左前、つまり「右近」にも、遅くとも戦国時代末期からは橘が植えられており、紫宸殿を模して「左近の梅、右近の橘」の構図にしたとも言われています。
ちなみに、紫宸殿の「左近の梅」は後に桜に替えられ、「左近の桜、右近の橘」として有名になりました。
菅原道真公と「飛梅」の伝承
菅原道真公は、901年(延喜元年)、左大臣藤原時平のはかりごとによって、京都から九州の大宰府へ左遷されました。
この時に、屋敷の梅に呼びかけて詠んだ歌が、
東風ふかば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ
(春が来て東風が吹いたら、梅の木よ、また花を咲かせておくれ。主人がいなくなっても、春を忘れてはならないよ。)
というものでした。
このように別れを惜しまれた梅は、道真公に付き添いたい気持ちを強くし、空を飛んで大宰府に根を下ろしたといいます。
飛梅は紅梅?白梅?
国宝『北野天神縁起絵巻』によると、菅原道真公が「東風吹かば」の歌を詠んだ場所は紅梅があった紅梅殿ですが、太宰府天満宮にある飛梅は白梅ですね。
これについては、「京都から大宰府へ飛んでいく間に色が変わってしまった」という伝承もありますが、はっきりとはわかっていません。
紅梅殿と白梅殿は道を挟んで隣接していたので、道真公は両方の梅に語りかけたのだ、とも考えられます。
松も桜もあったのに!?
京都にあった菅原道真公の住まいには、梅だけではなく松の木や桜の木もありました。
このうち、松は梅と一緒に主人を追って飛び立ちましたが、途中で力尽き、現在の神戸市に留まりました。
この場所は後世「飛松岡」と呼ばれるようになり、「飛松伝説」として語り継がれています。
一方で桜は、同じ場所にあったのに「東風吹かば」のように声をかけてもらったのが梅だけだったのを悲しんで、一夜にして枯れてしまったという話が、『源平盛衰記』に登場しています。
皇后の梅とは?
本殿の前には、飛梅と対になるように、「皇后の梅(きさいのうめ)」と名付けられた紅梅が植えられています。
これは1922年(大正十一年)に、大正天皇のお后、貞明(ていめい)皇后が自ら植えられた木の継承木です。
太宰府天満宮「飛梅」の場所
飛梅は、太宰府天満宮の本殿の前にあります。
また太宰府天満宮の延寿王院の向かって右前方には、「東風吹かば」の歌の歌碑が立っています。
おわりに・・
飛梅は、太宰府天満宮にある梅の中で、毎年一番先に花を咲かせると言われています。
開花情報をチェックして、きれいに咲いた姿を見に行ってみてくださいね。
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